字幕付きCMの制作について
字幕付きCMとは
字幕付きCMは「クローズドキャプション」(CC)
と呼ばれる技術を使用して放送されています。
クローズドキャプションとはテレビやレコーダーの「字幕」機能をONにすることで表示される字幕のことです。
音声情報を補償することで耳の不自由な方にも放送内容をより理解していただくための仕組みで
字幕機能をONにしない場合は表示されません。
共通ルール
テレビ番組ではすでに多くの番組が字幕対応していますが、
番組におけるCCの運用ルールは放送局ごとに異なるため、CMにおいては民放連で共通の搬入基準が策定されています。
放送に携わる皆さまへ | 一般社団法人 日本民間放送連盟
この搬入基準の中でも特に重要なルールとして、
★CM本篇の冒頭およびラスト1秒間には字幕を表示できない
★1枚の字幕は2秒以上表示しなければならない
というものがあり、字幕付きCMの制作においては、これを念頭において編集作業を進めます。
技術的な特徴
CCは通常のテロップとは異なり、データとして放送されたものをテレビやレコーダーがデコードして
字幕表示を行う仕組みとなっており、いくつかの技術的な特徴があります。
■特徴①
CCで表示されるフォントは、受信機ごとに内蔵されたフォントが表示されます。
(フォントの種類やサイズの指定はできません)
■特徴②
字幕の規格は16:9字幕(ARIB字幕)と4:3字幕(NAB字幕)の2種類があります。
ARIB字幕では1行に21文字、NAB字幕では1行に15.5文字の字幕を表示できます。
■特徴③
CCは画面に焼き込まれた字幕ではなくデータとして挿入されているため、
オンエアでは設計したタイミングよりも表示が少し遅れます。
ディレイの幅は機種により程度が異なります。
制作の流れ
字幕付きCMの制作は概ね下記のステップで進行します。
①素材のお持込
原版または原版のコピー + 音声内容が分かる資料(カット表など)
②字幕制作
お持込いただいた素材をもとに、ルールに基づきおまかせにて第一稿の制作を行います。
仕上がり次第チェック用ファイルをお送りします。
③試写/チェック
お送りしたチェック用ファイル、またはお立合い試写にてご確認をいただきます。
④字幕付き原版作成
専用の機材を使用して字幕データをHDCAMに重畳し、原版を作成します。
⑤局考査用資料の作成
放送局の事前チェックを受けるため、WMVやMPEG-4などの動画ファイルと字幕原稿をご用意します。
⑥オンエアプリント
考査が受理され次第、オンエアプリントを行います。
author:ビットビジネス部 成瀬友弥